♥ 「ありがとう戦略」

「ありがとう」戦略　　　清水英雄著書　　サンマーク出版　１６００円＋税

中古を取り寄せて読んだのですが、とっても分かり易くて面白い本です。

経営者向けではありますが、日常の事にも相通じる事がいっぱいでお奨めの一冊です

その中からちょっとだけ・・・・


『タンポポがくれた母の愛への氣づき』

「氣づく」ということは、日々現状打破を志す者にとって、欠かすことのできない根本

課題である。どんなに知識を吸収したところで、氣づきがない限り、現状打破も真の人

間性の向上もあり得ない。

まだ幼いころに父親が他界し、母親の手ひとつで育てられてきた女性がいる。母親が

キャバレーのホステスなどをして生計を立てていたので、まだ小さかった娘は、狭い

アパートの一室で一人寂しく晩御飯を食べ、冷え切った布団に寝て、酒を飲んで遅く

帰って来る母親を待つ毎日だった。小学校へ上がってからも、参観日にも運動会にも

一度も顔を見せたことがない、そんな母親をいつしか心の底から憎み始め、将来あん

なフシダラな女には絶対になるまいと心に誓うようになっていた。

やがて彼女は高校を卒業すると同時に家を飛び出し、専門学校へ入学した。

そんなある日の事だ。かのjyは道を歩いていて、土手に可憐なタンポポが咲いている

のを見つけた。が、摘み取ろうとして手を伸ばした瞬間、全身に電流のようなものが

走り、ハッとしてその手を引っ込めた。母親とのある思い出が突如よみがえったのであ

る。

小学校時代のある日曜日、珍しく母親に連れられて遊園地に行ったとき、駅に向かう

途中の土手にタンポポが一面に咲いていた。彼女が摘み取って行こうと言うと、母親が

たしなめた。「摘んでしまったらかわいそうじゃないか。タンポポはこの土手で一生懸命

生きているんだから、それを優しく見守ってあげようよ。遠くから見守って、タンポポさん

がんばって生きてねって、応援してあげようよ」

その時を思い出したのである。思いだし、そして氣づいた。

「母親はなんて優しい人なんだろう。今まで母親を憎んできたことは全部間違いだった

のではないか。母親にとって私はタンポポで、私が懸命に生きているのを母親はいつも

優しく見守っていてくれていたのに、自分はそのことに氣づかなかっただけではないか

」そう氣づくと、今まで何もしてくれなかったと思い込んでいた母親が、実は自分のため

にどれだけたくさんのことをしてくれていたか、自分を一人前に育てようと、水商売をし

ながらどれだけ必死に頑張って来てくれたか、次々とわかってきた。

人が根本の部分に氣づくと、その人の人生も大きくふくらみ陽転していく。

自分の母親への感謝に対する真の氣づきが、彼女の心の現状打破につながっていっ

たのだ。・・・・・・・・・☆☆☆