♥ 「料理」

Yさんの夫が半年後、海外へ単身赴任することになりました。夫の健康を考えると、自

炊してほしいと思いましたが、夫は全く料理をしない人でした。ストレートに「料理を覚え

てよ」と頼んでも、無駄だということはわかっていました。そこで作戦を立てました。

先ず夫を「ハイキングに行こう」と誘いました。そのうえで、「お昼に食べるサンドウィッチ

をつくろう」と提案しました。夫に任せたのは、パンに具をはさむだけですが、楽しそうに

手伝ってくれました。

しばらくすると、夫は料理の本を買ってきました。その中の「２０分でできる簡単料理」

に一人で挑戦しました。実際には２時間もかかりましたが、Ｙさんは手伝いたくなる気持

ちを抑え、ひたすら見守っていたそうです。

そのあと、台所に立つ夫の姿が様になってくると「台所が似合うね」と褒めました。

ハイキングから３か月たった今では、一週間交代で夕食をつくるようになり、「これなら

単身赴任でも大丈夫」とＹさんは安心しています。

このエピソードから、相手に何かを教える時には、相手に喜びを実感させ、絶え間なく

励ましてあげることが大切だ、ということがよくわかります。


楽しさを実感させることが教える秘訣です　　　　　　　(株)コミニケ出版「月刊朝礼」より