♥ たらいの中の水

たらいの中の水を想像してください。たとえ手で水を向こうに押しやっても、すぐに左右から

水が寄ってきます。押しても、押しても、手元の水はなくなりません。ただ波立つだけで、

やはり水は手元に戻ってきます。手を休めると、水は静まります。


世の中には、色々な人がいます。それぞれが役割を持ち、関係を保ちながら、社会を構成

しています。気の合わない人も当然いることでしょう。

あなたはそういう人を避けていませんか？


経営の神様と言われた松下幸之助氏は「人間の道は排除の道ではない。寄り添うという

ことも一つの方法だ」と述べています。

問題を解決しても、また問題は起こるものです。遠ざけたと思っていた人が、知らぬ間に

また自分のそばにいた、ということもあるでしょう。お互いに「社会」という、同じたらいの中

にいるので、排除しきれるものではありません。


そんな時は「これも何かの縁」と、感謝の心で受け入れてみましょう。そうすれば、状況は

静まり、調和・共生の道も生まれるかもしれません。目の前から遠ざけるだけでは、根本的

な解決にはならないのです。


≪心を静め、調和・共生の道を考えましょう≫　　　　(株)コミニケ出版「月刊朝礼」より