♥ 新作能「桧原桜」

大濠能楽堂にて「みんなで楽しむ能トレーニング」に参加。

第一部「船弁慶」を鑑賞し、分かりやすく解説して頂き、

そしてシテ「主役」のセリフをみんなで声に出して練習したり

楽しく、日本の伝統芸術に触れる事ができました。



そして第二部は１２月４日に公演予定の新作能「桧原桜」の一部を観賞

この桜の由来をこの時初めて知りとても感動しました！



昭和５９年３月、南区桧原の桜９本が道路拡張工事により伐採されること

になりました。 実際に１本が切られた翌日の１０日未明、

１人の住民が桜に色紙を掛けました。



花守り　進藤市長殿

　　　花あわれ

　　　せめてはあと二旬

　　　ついの開花を　ゆるし給え　　



この色紙が、偶然ある会社社長の目に触れた事をきっかけにマスコミに

桜の助命嘆願が大きく取り上げられると花を惜しむ人々の短冊や色紙が、

次々と桜にかけられました。

その中には当時の進藤福岡市長の返歌もありました。


　　　
桜花惜しむ

　　　　　大和心のうるわしや

　　　　　とわに匂わん　花の心は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　香瑞麻


その後道計画は変更され、８本の桜の木は伐採から救われました。



帰り道、見上げると虹が出ていました。

粋な本当にあったお話が、今また新作能としてよみがえると言う事は、

殺伐とした事件や話が日々ニュースで取り上げられる中、人のぬくもりや

心の交流を垣間見た充実した時間でした。無料なのにすごく得るものが多

かったです。これもたくさんの人の陰ながらの努力があったからだと思い

ます。ありがとうございます。